ジャック・ウェルチ氏が米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)で働き始めた1960年には、同社は既に創業から70年を経た巨大組織だった。こうした老舗企業を20年間経営し、今なら主に新興企業を連想させるレベルの活性化を成し遂げたことは、彼の経営者としての才能を証明するものだ。
こうした成果は、 1日に84歳で死去したウェルチ氏が1981年にGE史上最年少の最高経営責任者(CEO)となった時点では、何も保証されていなかった。当時、米国の企業は1970年代のオイルショックとスタグフレーションの苦境を経験していた。そして国際的な貿易と競争の新時代がGEのような製造分野の巨大企業に打撃を及ぼし始めていた。中国が世界経済に再参入し、インターネットが普及し始めたことで、こうした課題はさらに深刻化した。米国の多くの大企業はこうした圧力の中で生き残れなかったり、規模の縮小を余儀なくされて苦しんだりした。