インターネット第一世代として活躍した西村博之氏、通称「ひろゆき」。日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続ける。
そのロジカルな思考は、ときに「論破」「無双」と表現されて注目されてきたが、彼の人生観そのものをうかがう機会はそれほど多くなかった。
今回の新刊『1%の努力』(ひろゆき)では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。

「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
 つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
 そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

そう語るひろゆき氏。インターネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――

デマに惑わされないために

世の中にはデマに惑わされる人が多くいる。
ワクチンを打たない人や頭の悪い人が大勢いて、全員を助けることは難しかったりする。

ただ、「事実やデータを探してみる」というクセを身に付けるだけでデマに騙されにくくなることはできる。そんな話を語っていこう。

ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

これは、2018年のメキシコ・アカトランという町の話だ。

25歳のリカルド氏は、郊外に住む農家の叔父さんの井戸を作る手伝いで建築資材を買いに町の中心地に出かけた。

そのとき、街中で「臓器売買に関わってる誘拐犯がいる」というデマがメッセージアプリで広まっていた。

たまたま小学校の近くを通りかかったリカルド氏と、彼の叔父さんは、群集心理によって誘拐犯だと決めつけられた。

そして、逮捕され、近くの警察署へ連行されてしまった。

大衆の心理が人を殺した

「警察署に誘拐犯がいるぞ」

そんなデマがさらに拡散されて、警察署にたくさんの人々が集まった。

人々は警察署に押しかけ、二人を引きずり出した。

二人は群集にボコボコに殴打されて、リカルド氏は亡くなってしまった。それでも怒りの収まらない群衆は、叔父さんにガソリンをかけて生きたまま焼き殺した。
その様子がfacebookライブで配信された。