レオパレス21が2月27日に開いた臨時株主総会で、会社提案が可決され、株主提案が否決された──。べた記事にもならないようなニュースの裏には、「会社」と「株主」の知られざる駆け引きがあった。特集『新・村上ファンドの正体』(全5回)の#01では関係者の証言を基に、レオパレスと、村上世彰氏が関わる投資会社の攻防戦を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
レオパレスは「薄氷の勝利」
鍵を握った大株主の意向
「薄氷の勝利だ。負けてもおかしくない戦いだった」
賃貸アパート大手レオパレス21の関係者が青ざめた顔でそう漏らしたのは、2月27日に東京都内で開催された同社の臨時株主総会の結果についてである。
レオパレスを巡っては、2度目の施工不備問題が発覚した昨年2月ごろから、村上世彰氏が関わる投資会社レノが株式を買い集め、12月に臨時株主総会の招集を請求。この日の総会で、レノは清水建設出身で村上氏側近の大村将裕氏を取締役候補とし、一方のレオパレスは東洋シヤッター元社長の藤田和育氏とパナソニック ホームズ元上席主幹の中村裕氏を社外取締役候補として提案した。
その結果は、会社提案が賛成比率56%で可決、レノの株主提案は同44%で否決というものだった。