20年以上、世界一流メゾンに愛され続けるトップモデルの冨永愛さん。美容法、ボディメイク、食事法などを綴った著書『冨永愛 美の法則』では、ビューティメソッドの他に、働く女性が輝くために必要なスピリットにも触れています。今回はその中から、仕事の現場で大切にしている思いやりや心構えについて、ご紹介します。
周囲を味方につける
トップモデルの内面的な特徴を聞かれることがある。人心(じんしん)掌(しょう)握(あく)術(じゅつ)のようなものも含めて。正直、性格がいい人もいれば、めちゃくちゃ性格が悪い人もいた。
しかし、たとえば性格が悪いスーパーモデルがいたとしても、カメラマンは撮影したいし、ブランド側も使いたい。頂点まで昇りつめたら、人間性も何も関係ない。
でも、仕事をこなしていく中で、あえて人に嫌われる必要はないし、あえてやりづらくする必要もないと私は思う。
チームとして、円滑に物事を進めていくためには、言わなきゃいけないこともあるけれど、私は、基本的に楽しくやりたいと思っている。どんな仕事でも、一人ではできないのだから。
モデルの場合は、デザイナーやクチュリエ(裁縫専門職)、カメラマンのほか、ヘアスタイリスト、衣装のスタイリスト、マネージメントスタッフなど、たくさんのプロに支えられてこそ、成り立つ仕事だ。
やり方は人それぞれだけれど、互いの尊敬や信頼が大事。
たとえ相手がどんなに嫌なやつだったとしても、プロの仕事をなめてはいけない。
クセの強い人が多い世界でもあるから、いちいち振り回されず、プロとして接していきたいと思っているし、人間的な思いやりも失いたくない。
どんな職業にもいえることだと思うけれど、人に好かれ、味方につけることで、周囲に動いてもらえるような人間力を身につけることが大切だ。
本原稿は、冨永 愛著『冨永愛 美の法則』からの抜粋です。発売中の『冨永愛 美の法則』では、スーパーモデルならではの美容テクニックもたっぷり収録されています。あなたも「美しい人になる習慣」を身につけてみませんか?
冨永 愛(とみなが・あい)
1982年生まれ。17歳でNYコレクションにデビュー、一躍話題となる。以後長きにわたり世界の第一線でトップモデルとして活躍。そしてモデルのほか、テレビ、ラジオ、イベントのパーソナリティなど様々な分野にも精力的に挑戦。2014年より3年間の休業を経て、2017年秋復帰。日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、世界一流メゾンのランウェイに返り咲く。現在、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝える活動、執筆のほか、2019年秋、TBSテレビ「日曜劇場『グランメゾン東京』」では主要キャストとして抜擢、女優としても活躍。公益財団法人ジョイセフ・アンバサダー、エシカルライフスタイル SDGs アンバサダー(消費者庁)。