アマゾンPhoto:Reuters

 新型コロナウイルスの感染流行で除菌洗浄剤や手指消毒剤などの需要が急増する中、米アマゾン・ドット・コムはサードパーティー業者による法外な価格設定を根絶するのに苦慮している。

 アマゾンは不当に高い値段がつけられた数多くの商品をサイトから削除し、根拠の無いうたい文句を並べる出品者に対する措置を講じている。

 世界的な顧客信用やパートナー支援を担当するバイスプレジデントのダーメシュ・メータ氏は4日、消費者保護に関する米議会の公聴会に出席。「アマゾンでは虚偽記載や価格つり上げは許さない」と強調した。

 それでも、同社をはじめとするオンライン通販サイトでは、通常よりも高い価格設定が続いている。アマゾンで売られている除菌ウェットティッシュ「クロロックス」(70枚入り)は27.99ドル(約2980円)と、普段のおよそ5倍の値段だ。手指消毒剤「ピュレル」も1本49.99ドルと、大手小売店の店頭価格の6倍以上に達している。

 保健当局はウイルス拡大を防ぐ上で、家庭用消毒剤を使って手洗いやカウンターの拭き掃除をすることが重要だと述べている。

 便乗値上げはアマゾンだけの問題ではない。インターネット競売大手イーベイやフェイスブックでも商品価格が高騰している。米小売り大手ウォルマートでも、サードパーティー業者による一部商品のオンライン販売価格が通常より高く設定されている。

 ウォルマートの広報担当者は4日、状況を注視しており、異常に高い価格の商品は削除していると述べた。便乗値上げを見つけた消費者からの報告も受け付けている。

 実店舗を構える大手小売りやドラッグストアチェーンは通常通りの価格に据え置いており、入荷した商品はあっという間に売り切れる。ターゲットやCVSヘルス、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、ホーム・デポでは需要が高い商品も普段と変わらない値段がついているが、ほとんど品切れだ。こうした企業はメーカーから直接商品を仕入れている。

 CVSは「商品供給の流れは滞っておらず、できるだけ早く商品を補給している」と発表した。

 「ピュレル」ブランドの除菌ウェットティッシュやスプレー、石けんはとりわけ需要が高い。同ブランドを手掛けるGojo(ゴージョー)インダストリーズの広報担当者によると、同社は12月、販売急増を見越して対策チームを発足。同社最大の事業領域である医療機関向けに十分な供給を確保するため、何週間も前から小売業者への販売を制限し始めた。

 広報担当者は「最も必要とされるところへ商品を均等に流通させるためには、これが最善の方法だ」とし、「このアプローチは買いだめや便乗値上げを防ぐ一助にもなる」と述べた。

 消毒スプレーやウェットティッシュなど家庭用消費財メーカーのクロロックスは先週、需要の高まりに対応する用意はできていると述べた。同社の商品も他社品と同じく、通販サイトや全米の小売店で売り切れもしくは品薄になっている。

 クロロックスの広報担当者は、可能な限り早期に供給を補充するため、消毒製品供給チームがフル回転で対応していると語った。「人々が消毒製品を必要としている時に、販売業者のこうした行動を見るのは非常に残念だ」

(The Wall Street Journal/Sharon Terlep)