企業や投資家が景気低迷の長期化に備え、現金の確保を急ぐ中、足元の金融市場の混乱は「換金売り」という、一段と深刻な新局面に突入しつつある。18日の金融市場では、資産クラスを問わず、ほぼ全面的に売りが膨らみ、2008年の金融危機以来の暴落となった。金融システムの中核である短期金融市場にはひっ迫の兆候が出ており、大手企業は可能なうちに融資枠の取り崩しを急いでいる。投資家が「すべて売る」姿勢へと転換したことで、この日は株式やコモディティ(商品)に加え、安全資産とみられる投資適格級債券や国債にも売りが波及した。市場のリスク回避が強まると、通常なら国債、極めて警戒感が高まった場合には金への逃避買いが膨らむが、投資家はもはや米短期国債(Tビル)か現金しか信頼できないもようだ。