SNSでの「雑な仕込み」は
必ず炎上を招く

 この「電通案件」の大炎上は、広告、セールスプロモーション、SNSマーケティングを生業とする人たちに、どう言い訳をしてもステマはアウトだということをあらためて知らしめるとともに、ある大きな教訓を与えた。それは、SNSでの「雑な仕込み」は瞬時にボロが出て、凄まじいバッシングにさらされるということだ。

 業界内でこのような「大失態」が発覚すると普通は各社、半年くらいは身を引き締める。上層部から現場に「うちは大丈夫だろうな」なんて声が寄せられるので、自社がSNSマーケティングの仕込みが「雑」ではないか、細心の注意を払う。ステマ感が出ていないかはもちろん、ひと昔前の「韓流ブーム」のようなゴリ押しになっていないかも気にするところだ。

 しかし、「100日後に死ぬワニ」のビジネス展開からは残念ながら、そのようなことを気にした形跡はまったく感じられない。

 気持ちがいいくらい「最終話=プロモーションの最適なタイミング」としか捉えておらず、クチコミで火がついた作品を愛してきた人々の目に、集中的に大量投下されるビジネス展開がどう映るのかかえりみた感じもない。

 そのあまりの無神経さから、「実は炎上マーケティングだったのでは」なんて陰謀論まで飛び出してきている。

 ただ、報道対策アドバイザーとして、この手の炎上案件に関わった経験から言わせていただくと、「100日後に死ぬワニ」が時代錯誤的なゴリ押しマーケティングになってしまったのは、特に驚くような話ではない。

 多くのカネが費やされ、さまざまな人が関わるプロジェクトというものは、規模や期待が大きくなればなるほど、誰も止めることができない。もしそこで誰かが問題を指摘しても、「今さらやめられるか」と突っ走ってしまう、ということが多々あるのだ。