コロナの影響を受けにくい
業種や企業は必ずある

(3)常にキャッシュに余裕を持っておくこと
 どんなに暴落して、これが底値だと思っても、投資用に持っている資金を全部つぎ込んでしまわない方がいい。それでは資金効率が悪いだろうと思われるかもしれないが、我々は個人投資家であって、人さまのお金を預かって運用するファンドマネジャーではない。

 筆者は、目いっぱいリスクを取って投資をすることで得られるリターンを失うことよりも、お金をつぎ込んだ後、さらに下げ続けるリスクに備えるべきだと考える。なぜなら、個人投資家は機関投資家やプロと違って、他の投資家と比べられることはないので、俗に言う「持たざるリスク」なるものは存在しないからだ。

 筆者自身も常に3割ぐらいの現金(預金)を持っているし、昨年の暮れには投資用資金の7割くらいは預金にしてあった。このところ、底値圏に達したと思われる株を少し買ったが、それでもまだ半分ぐらいは預金のままにしてある。仮にここから下がらず再び上がったとしても、それは「もうけ損なった」というだけの話である。

 機関投資家にとっては「もうけ損なう」というのは、顧客から他社と比較されて劣勢になるため、どうしても避けなければならないことだが、個人投資家はもうけ損なうよりも損をすることを避けるべきだ。もちろん、自分で本当に10年に1度ぐらいの大きなチャンスだと自信が持てるのであれば、大きく勝負すればよい。現実に投資で大きな利益を得た人は、ほぼ例外なく暴落時にリスクをとって投資をしてきているからだ。

(4)銘柄選択がすべて
 そして最後は、言わずもがなではあるが、TOPIXや日経平均といった指数に惑わされるのではなく、しっかりと銘柄選択をすべきだということである。

 それは自分が好きな銘柄でもいいし、日本を代表するような優良株でもいいし、上場して間がない小型成長株でも良い。冷静に考えて、今回のコロナウイルス禍では、旅行業界や飲食産業、イベント業界や広告代理店といったところは、間違いなく大きな打撃を受けるだろう。ところがそれ以外には業績が順調だし、コロナウイルス禍が仮に1年続いたとしてもほとんど影響がないという業界や企業はある。ところが今回の下げ局面ではそういう銘柄も一緒くたに売られて下げているものが多い。そういう銘柄を買って、後は3年でも5年でもじっと持っていればいいのだ。

 投資で大事なのは、冷静な頭を持って、揺れる感情をどう抑えるかということに尽きる。特に今のような時期においては、焦らないことが一番大事なことだろう。

(経済コラムニスト 大江英樹)