中国で職探しをする大卒者が増える中、困難な状況に一層拍車をかけているのが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)だ。安定した雇用が経済や社会の秩序維持に欠かせないと考える共産党当局者にとって圧力がなお強まっている。今年卒業証書を受け取るとみられる900万人近い学生が――卒業生の数としては約10年ぶりの多さだ――、近年まれに見る厳しい雇用市場に参入する見通しとなっている。パンデミックの前でさえ、景気鈍化のためにホワイトカラー労働者の就職口はすでに減少していた。新型ウイルスの影響や、それを抑えるために広範囲の都市封鎖や生産停止が実施された結果、中国都市部の失業率は2月に6.2%と過去最高を記録。これまで景気の波はあってもおおむね維持されてきた公式発表で5%前後の失業率を上回った。