今一番大事なのは、
事業を継続できるようにすること

 企業の資金繰り対策については、基本的に融資という考え方であり、利子補給に信用保証、民間金融機関から政府系金融機関への借り換えと、困窮する事業者の負担を根本的に軽減するものにはなっていない。融資は借金であり、負担増にしかならない。

 雇用調整助成金にしても、あくまでも企業で働くいわゆる給与所得者向けのものであり、支給限度日数の延長や助成率の引上げ等を行うべしとしているが、100%の給与補償ではないし、一時凌ぎにしかならないだろう。

 いや一時凌ぎでもないよりはマシなのかもしれないが、本気で支援し、雇用を確保し、所得を補償するつもりがあるのであれば、事業者の失われた粗利の100%補償を行うべきであろう。事業者の粗利には従業員の給与も含まれるから、雇用を守るとともに給与も補償することができる(むろん、粗利の補償に当たっては、そのうち従業員の給与相当分については、必ず従業員に支払うことを条件とする必要はあるが)。

 加えて、わが国の貧困化が止まらない中、低賃金で働き、住まいがなく、ネットカフェ等で寝泊りする、いわゆる「ネットカフェ難民」については、当然住所というものがなく、銀行口座も作ることができないので、金額や支給範囲が取り沙汰されている給付金も受給することができない。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、過剰ともいえる自粛ムードが世を覆いっているところ、事業が継続できなくなって廃業する事業者や、止むを得ず従業員を解雇せざるをえない事業者も出てきている。

 今一番大事なのは、雇用を継続できるようにするために事業を継続できるようにすることであり、その場凌ぎの給付金や支援の名を借りた借金ではないはずである(事業者にとっても、時間をかけて育成し、仕事を覚えてもらった従業員を、資金繰りの問題で解雇せざるを得ないというのは大きな痛手であり、新たに雇用するのは大きなコストである)。

 しかし、「通常時なら十分に事業継続が可能な事業者を支えるとの観点から」との記載があることからも明らかなように、「あらゆる事業者を支援しよう」という気は最初からないようだ。

 またこうした給付金等の支援に関して、「消費税5%減税分(国分)に相当する約10兆円を上回る給付措置を、現金給付・助成金支給を中心に、クーポン・ポイント発行等も組み合せ、全体として実現すること」と、対策の基本的な考え方の一つとして記載されている。