一方、Bさんは持ち家である自宅が勝手に値上がりする。インフレのときに値上がりする代表的なものは不動産である。手垢がついても新品と大差ない価格で売買されるのは不動産だけだからだ。資産価値が膨れて負債額がそのままなので、差し引きした純資産は増える。

 借金をたくさんしているほど、膨れる資産は多くなる。戦後のハイパーインフレのように物価が70倍になれば、5000万円のマンションの価値は35億円になっていて、借金は4500万円のままだ。これは自分が出した現金500万円に対して、借金で5000万円の資産を手に入れているのと同じことになり、いわゆるレバレッジ効果は10倍となる。このように、有事の際の持ち家は生活防衛に役立つのだ。

1年後に五輪は開催できる?
今、やっておくべきこと

 幸い、住宅ローン金利は低く、ほぼゼロ金利だ。こんな時だから、経済活動を促進するために住宅ローンは組みやすくなっている。そこに投げ売りする物件が出てきたら、お買い得ということになる。

 コロナショックは日本の財政寿命を縮めた。1年先延ばししても東京五輪が開催できない可能性を考えると、日本は借金を増やしただけに等しくなり、世界から財政赤字が問題視されることになる。2021年の五輪が万一中止になるとしたら、そのタイミングを購入までのタイムリミットと考えると、あと1年が限界とはいえないだろうか。

 こうした自宅購入は単身の方にもお勧めしている。「賃貸は持ち家より損」「結婚してから、子どもが育ってからでいい」などと言っていては、損が膨れていくだけだ。住宅ローンは年収の7倍程度まで組めるので、年収400万円でも2800万円くらいは借りられる。頭金がなければ、親からの贈与でも借金でもいい。社会人なら誰もが自宅購入を考える必要がある。2020年にやっておかないといけないことは、何よりも自宅購入なのである。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)