コロナショックで金融パニックより不動産市況の暴落を危惧すべき理由
新型コロナ感染拡大は、経済に深刻な影響を及ぼしています Photo:PIXTA

全世界に拡大する新型コロナ
経済状況を表す数字は軒並み悪化

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表
小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 深刻化した新型コロナウイルス感染拡大の影響により、3月は多くの人が集まるコンサートやイベントが軒並み中止・延期になり、一部のエンターテインメント施設が閉鎖になりました。不要不急の外出、夜の集まりの自粛が要請されたことで、観光業、飲食業、小売業などが深刻な打撃を受けています。

 このためインバウンド需要を見込んで設備投資をした旅館やホテルは、一段と厳しい状況に追い込まれています。コロナ禍の影響は国内製造業にも広がり、基幹産業である自動車メーカーは国内工場の操業を一部停止。それは無数にある下請けの中小企業の業績を直撃することになっています。4月1日に発表された「日銀短観」では、大企業製造業が、前回の12月調査の0からマイナス8まで7年ぶりに沈み、中小企業の製造業では、マイナス9だったものがマイナス15まで落ち込みました。この数字が良いか悪いかの基準は0ですから、中小の製造業では、元々かなり悪かったものが大きく悪化したといえます。

「長期戦の覚悟」を呼びかけている政府や東京都などの自治体は3月の自粛要請に続き、4月中、さらにはゴールデンウイークにかけてのイベントや企業活動などの自粛を求める可能性があります。感染問題は欧米でより深刻化しており、政府は日本人の渡航中止を勧告する対象国を広げ、外国人の入国を拒否する方針です。外国とのビジネスへの影響も出てくるでしょう。

 政府は「強大な経済政策を前例にとらわれず練り上げる」と述べていますが、経営者は、自社の状況を冷静に判断し、特にダウンサイドリスク(最大限被る損害)を考え、前回もお話ししたように、手元流動性(現預金)を十分に確保しておくことが必要です。