――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  いつもなら、欧州連合(EU)の破綻を予言するのは英国と米国にいる右派のEU懐疑派だ。しかしこの数週間、欧州のエスタブリッシュメント層の中枢からも悲観的な発言が出ている。  欧州委員会のジャック・ドロール元委員長は、EUの「生死にかかわる危険」を指摘。イタリアのエンリコ・レッタ元首相は、欧州が直面する「死のリスク」を警告した。スペインのペドロ・サンチェス首相は、現状を欧州にとって「第2次大戦以来最悪の危機」と呼んだ。