国際連合食糧農業機関(FAO)は3月下旬、食糧サプライチェーン(供給網)の寸断が4月~5月に具現化する可能性があると警鐘を鳴らした。世界で3番目に大きなコメ輸出国であるベトナムは3月25日、コメの新規輸出契約の締結を一時的に禁止した。コメ先物価格は3月初旬以来12%上昇し、現在1年前と比較して約40%高となっている。小麦先物も急騰している。ロシアやウクライナ、カザフスタンも新たな輸出制限を発表または検討している。N95マスクや人工呼吸器とは異なり、食糧サプライチェーンの問題は生産能力の不足ではない。収穫は好調で備蓄は豊富にある。国連によると、コメ在庫は史上最高水準に近く、2020年の世界の小麦生産量も7億6300万トンと19年に匹敵する水準になる見通しだ。
マスクの次は食糧不足 投資家は懸念すべきか?
問題は生産量ではなく輸送能力の制限や農業労働者の不足、過度の警戒感に
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