2020年に米国とサウジアラビア・ロシアが主導して原油の世界的な協調減産が行われるとは、だれも予想していなかった。しかし、新型コロナウイルスの出現によって世界の石油需要が激減し、地球上で最も強力な産業に属する石油業界は前例のない危機に見舞われている。ウイルス感染を避けるために数十億人がロックダウン(都市封鎖)の下にあり、人々は車の運転を止め、航空機は空港に駐機されたままであるため、原油需要は崩壊した。市場にはガソリンとジェット燃料があふれており、原油を燃料に転換する製油所は原油の購入を抑制している。アジアからアフリカ、米南西部に至るまで、石油備蓄施設は満杯だ。生産者は、原油が行き場を失ったため油井を閉鎖し始めた。
石油需要、コロナで突然消滅 業界は大混乱
ウイルス感染拡大による都市封鎖や自宅待機で石油産業は「機能不全」へ
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