新型コロナウイルスの流行で米経済が大きな衝撃に見舞われ始めていた3月、ドラッグストアチェーン大手CVSヘルスの人事責任者、ジェフ・ラッキー氏は、深刻な打撃を受けるであろう航空、ホテル、小売企業などの関係者に接触していた。ラッキー氏が伝えたのは「御社の人材が欲しい」とのメッセージだ。CVSは目下、同社の歴史上で最も野心的な人材採用を実施している。コロナによる需要急増への対応に必要な5万人を確保するため、カジュアル衣料品大手ギャップやホテル運営大手ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス、デルタ航空などと協力し、これらの提携先企業でレイオフされた社員を再雇用している。CVSの人材募集には、ここ数週間だけで90万人以上の応募があった。応募職種は倉庫や店舗の在庫補充、コールセンター要員、病欠や隔離中のCVS社員の穴埋めといった具合だ。