世界各国の政府は新型コロナウイルスの感染対策として接触追跡アプリの導入を急いでいるが、いち早く取り組んでいるシンガポールでは市民をアプリに登録させるという大きなハードルが立ちはだかっている。シンガポール政府が開発したアプリ「トレーストゥギャザー」は、新型コロナ感染者の濃厚接触者を当局が追跡しやすくするために設計された。濃厚接触者が迅速にみつかれば、他の人にウイルスを感染させる前に隔離し、感染の連鎖を断ち切ることができる。だが当局者によると、この技術が効力を発揮するためには、住民570万人のうち4分の3がスマホにアプリをダウンロードしなければならない。アプリ導入から1カ月たったが、シンガポールはその目標に程遠い。政府の報道官によると、先週時点でトレーストゥギャザーのユーザー数は108万人にとどまっていた。