東京駅新幹線改札新型コロナの影響で外出自粛が広がる中、新幹線の利用者や予約は大幅に減少。ゴールデンウイークの予約席数は前年比9割の減少となっている。 Photo:JIJI

緊急事態宣言の期間である5月6日まで、あと10日を切った。外出自粛が求められる中、ゴールデンウイークの鉄道利用者は大きく減少。さらに鉄道各社では、緊急事態宣言の延長を見据えて新たな対応を打ち出し始めた。だが、長引く減便は、鉄道各社に厳しい経営を迫りつつある。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

新幹線の利用者は
前年比9割の減少

 東京など7都府県に4月8日から5月6日までの緊急事態宣言が発令されてから3週間が経過し、当初予定の期日が近づいている。感染者数は依然としてハイペースで増加しており、期日通りに緊急事態宣言が終了するめどは全く立っていない。

 安倍晋三首相は4月21日、首相官邸で行われた記者会見で「ゴールデンウイークが近づいてきた。家族だけであっても地方への旅行、遠出は控えてもらいたい」と呼びかけ、引き続きの外出自粛を強く促した。3月後半の3連休は「自粛の緩み」が見られ、感染拡大の一因になったとの指摘もあるが、今回のゴールデンウイーク期間中は、外出自粛を徹底する必要があるという危機感は市民の間にも共有されているようだ。

 それは鉄道の利用者数にも顕著に表れている。

 JR東日本は4月14日、ゴールデンウイーク期間における新幹線指定席の予約状況を発表した。同社は4月24日から5月6日まで新幹線671本の運休を決定しているため、予約可能な席数は前年比23%減の249万席である。これに対して予約席数はわずか13万席(14日現在)で、実に前年比91%もの減少となっている。