秋も深まり、過ごしやすくなった今日このごろ。列車に乗って遠くに出かけたい、と考えている人も多いだろう。“どこに行くか”も大切だが、“何で行くか”にもこだわれば、旅の満足度がさらに上がるはず。特に近年は、鉄道会社各社が運行する「観光列車」が進化を遂げ、人々の旅路に花を添えているという。(清談社 真島加代)

乗るだけで旅行になる
観光列車の魅力

「特急 指宿のたまて箱」の外観
「特急 指宿のたまて箱」は、浦島太郎伝説発祥の地を走る観光列車。浦島太郎の世界にどっぷり浸ることができる

 幼い頃から鉄道を愛し、元JR車内販売員を経て、現在鉄旅タレントとして活躍している木村裕子氏(ブログはこちら)は「観光列車」の特徴をこう語る。

「観光列車は、その土地の良いところを知り尽くしたプロが作り上げた“コンシェルジュ”のような列車です。移動しながら観光・名所・絶景・グルメを堪能できるのが、最大の特徴ですね。観光には移動がつきもの。その移動も楽しい時間にしてくれるのが観光列車だと思います」

 また「一歩も歩かずに旅行が成立するメリットも持ち合わせている」と木村氏。観光列車そのものは国鉄時代からあったが、特に近年は鉄道各社が観光列車事業に力を入れる傾向にあるという。

「かつての鉄道は『1分でも早く目的地へ』という考えが主流だったので、観光列車はあまり目立つ存在ではなかったかもしれません。しかし、通勤・通学客だけでは収益が右肩下がりになったことを機に、現在は『1分でも長く楽しめる列車』へと鉄道の定義が変わったことが、観光列車の注目度の上昇に比例しているようです」