与党が180議席獲得の圧勝
コロナ封じで日米と明暗
世界各国で新型コロナウイルス問題が吹き荒れるなか行われた韓国の総選挙は、文在寅政権を支える与党の大勝という結果になった。
「共に民主党」と、大政党には比例区の議席配分が不利になる新たな選挙法に対応するため、比例区用に結党した政党、「共に市民党」が定数300議席の半数を大きく超える180議席を得て大勝した。
進歩系政党が過半数を制したのは2004年選挙以来、16年ぶりのことだ。
一方で第1野党の未来統合党と、比例区用の衛星政党、未来韓国党は103議席にとどまり、惨敗した。
与党大勝利の背景は、コロナ問題の封じ込めに成功したことだ。
文大統領は地方や医療現場などへの視察を積極的にして存在感を示す一方で、政策の具体的な指示は丁世均首相らの発信にまかせ、失敗した場合の批判のリスクを抑えるなど、巧みな危機管理手腕で評価を上げた。
感染拡大を止められないでいる米国のトランプ大統領や安倍晋三首相との差が際立つことになったが、コロナ封じでの“明暗”は、日米韓の溝を深める可能性がある。