単語帳の使い方は、英単語を覚えるときと同じ。カードの一方に問題を書き、裏面に答えを書く。

 これだけである。最近はスマホのアプリや、小型の電子機器などで単語帳と同じように使えるものもあるようだが、やはり紙の単語帳がベストだ。

 というのも、電子データから人が認識できる情報量はとても少ないからだ。

 たとえば、紙の単語帳からは、インクのカスレ、書いた文字の色・クセ、紙の質感、少し折れた紙の感触など、記憶のきっかけとなる情報を多く得ることができる。

 つまり、単語帳に書かれていることを思い出すときに、「あぁ、これは、少し紙の隅が破れてしまったあのカードに書いてあったな」などといったように、とっかかりとなるのだ。

 電子データにはこれがない。表示が切り替わっても出てくるのは、特徴のない活字部分だけだ。海外では電子書籍で本を読むより、紙の本を読むほうが記憶に残りやすいという研究結果があるようだが、これも同じ理由であろう。

毎日1時間ほど暗記の時間を
鬼のように徹底して続ける

 単語帳を使って覚える作業を繰り返すとき、どのくらいの頻度で行なうべきか。

 エビングハウスの忘却曲線理論では、時間と忘却率の研究から最適な復習周期を導くことが可能で、それについて詳しく書かれた書籍などもある。

 しかし、いちいち記憶作業をするのに最適な時期を特定してスケジューリングするというのは面倒な作業だ。

 私もそれを試みたことはあるが、スケジューリングすることにエネルギーが使われてしまって効率的ではなかった。

 結論からいえば、毎日1時間ほど記憶のための時間を取り、順番に単語帳によるチェックをしていくのが一番である。

 司法試験の勉強中は、勉強場所までの電車移動時間の90分ほどを記憶のための時間にしていた。司法試験ですら90分で足りたので、どんな勉強でも毎日1時間ほど時間を確保すれば十分だろう。試験内容や記憶すべき知識、情報の量に応じて時間は調整してほしい。

 ABCという科目で記憶すべきことがあったら、Aが終わったらBをやり、Bの途中でその日が終わったら翌日はBの続きからチェックし、Cまで終わったらまたAからはじめる、というように、時間と順番を決めて単語帳のチェックを続ける。

 重要なのはそれをひたすら、「鬼」のように徹底できるかどうかだけだ。

 とてもシンプルで地味な方法だが、実践すれば劇的な効果があることを保証する。