市民ランナーが感激する
「平壌マラソン」も中止に

 北朝鮮は、新型コロナウイルス感染防止対策として、4月の平壌マラソンを中止した。平壌マラソンは、4月15日の北朝鮮最大の祝日と位置づけられる太陽節(金日成主席の生誕日)前に開催する、同国最大のスポーツイベントだ。

 今年開催されていれば31回目となった大会で(2017年大会直前に、なぜか2回分、開催回数が減らされた)、2014年から外国人の一般ランナー参加が認められている。2019年大会は外国人の一般ランナー約950人が参加し、れっきとした「国際陸上連盟(IAAF)」公認大会だったりする。

 1日で実施されるイベントとしては、北朝鮮最大の外貨獲得イベントである平壌マラソンは、北朝鮮情勢に左右される大会でもあり、2017年には過去最高となった1000人ほどの外国人参加者を集めるも、17年初夏から冬にかけてミサイルを乱発して米朝開戦も危惧された翌2018年大会は450人を切ったりと、波がある。

「競技場でゴールできるのが感激体験でした。日本でも海外でも、市民マラソンで、競技場でゴールできる大会はないと思います。まるで私のためだけに向けられたように感じた大歓声は忘れられません。制限時間が厳しいので私はハーフで参加しましたが、制限時間が延長されたらフルでも挑戦したいです」(2017年大会に参加した日本人女性)

今年の開催が危ぶまれる観光収入の目玉マスゲーム(2019年撮影)

 平壌マラソンのフルマラソンの制限時間は4時間(当時。現在は4時間半)と、今どきないくらいハードな大会だが、前出の女性は別段、北朝鮮に特別な興味があるわけはなく、世界各地のマラソン大会へ参加するマラソン女子だ。

 そんな今までとは違った層の人たちを観光客として北朝鮮へ呼ぶことができる点も、北朝鮮が近年、参加型のスポーツイベントへ力を入れる理由とみられる。

 平壌マラソンが中止となれば、次の外貨を稼ぐ観光イベントはマスゲームとなるが、これも雲行きが怪しい。

「現時点では観光再開の話はまったく出ていません。マスゲームも練習ができていないと思われるので、今年は開催されないか、状況によっては9月から1カ月間の限定公演など、大幅短縮される可能性があります」(中国の北朝鮮旅行代理店)