コロナショックでどん底の世界経済
回復までは遠い道のりに
小宮コンサルタンツ代表
現在、日本経済は新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んでいますが、経営者はこの状況が長引くことを念頭に経営をしなければなりません。今回はまず、マクロ経済の状況を分析します。
新型コロナウイルス感染拡大により、米国、中国、EUという世界のGDP(国内総生産)の約6割を占める国々が機能不全に陥っています。国際通貨基金(IMF)が発表した最新の「世界経済見通し」では、2020年の成長率予測をマイナス3.0%(19年は2.9%のプラス成長)と見込んでおり、IMFのゲオルギエバ専務理事の「大恐慌以来の経済悪化となる」という発言は誇張とは思えません。4月~6月は特に厳しい状況になると考えられます。
各国政府は自国の経済崩壊を防ぐために経済対策を次々に打ち出しています。トランプ米大統領が認めた財政出動は、4月の時点ですでにリーマンショック時を大きく上回る2兆9000億ドル規模。しかしニューヨークをはじめとする各都市でロックダウンが続いているため、経済活動の再開のめどが立っておらず、仮に数カ月で終息に向かったとしても、どん底まで落ち込んだ経済のリカバリーには相当な時間がかかりそうです。