特に「方方日記」をめぐり、賛成派と反対派の攻防が激しい。

 グループ内では、みんな頭に血が上り、顔が真っ赤になるほどの激しい論争をしている。賛成派は、「方方さんが武漢の真実を記録し、政府の初期の怠慢の是非を問うことが、国が今後同じ過ちを繰り返さないためになる。まさに愛国者で良識を持つ人だ」だと主張する。

 一方の反対派は「国があれほど人民のためにいろいろなことをやっているのに、そして医療現場でウイルスと懸命に戦っている医療従事者がたくさんいるのに、それらを無視して、暗黒面ばかり書いている。ましてや、アメリカなどで出版することは、まさに西側諸国に媚びる売国奴だ、アメリカが中国を攻撃するための手助けとなる。許せない!」と真っ向から対立する。

 こうした政治的な要素が絡んでいる話題だけではない。

「朝食はおかゆをやめて…」の発言に
「西洋文化の崇拝」との批判も

 ごくごく一般な話題に関する意見でも、すぐさま炎上状態となり、対立し、攻撃し合うことも多いのだ。

 その一例として、今回のコロナ問題で本音をよく語ったため、絶大な支持を受けて一躍有名人となった上海の大学付属病院に所属する感染症専門医の男性が、先日、子どもの免疫力が高めるために、朝食は「おかゆをやめて、卵や牛乳が良い」と発言した。

 これをめぐりネットでは大論争となった。「おかゆは中国の長い歴史の中で伝統的な飲食文化であるのに、優秀な中華文明を捨てる気か、西洋文化を崇拝するのもほどほどにしろ」と医師を罵倒する声が相次いだのだ。

 そして、冒頭にあるような見解の違いで長年の友人と決別するようなケースが、夫婦の間にも起きている。意見の違いや対立から、双方が愛想をつかして離婚に至るのだ。

「コロナ禍が鎮火したら、その反動で増えるのが消費だと思ったら、離婚件数だった」という笑えそうで、笑えない状況である。

 ちなみに、筆者が入っているあるグループは、金融・投資・証券関係者が多い(以前、日中介護投資関係のシンポジウムを共催したため)。メンバーは中国一流のアナリストや銀行マンや投資関係者で、いわゆるエリートである。

 ところが、最近、このグループ内でも異変が起こった。コロナ問題をめぐり、さまざまな議論をしているうちに、両派に分裂して罵(ののし)り合いを始めたのだ。中立の人々は見るに耐えず、自らグループから出てしまうという結果となった。これまでみんな和気あいあいとしていた仲間が、今は口もきかない状態になってしまった。寂しいというよりも、とても悲しいことだ。