今回の寄稿で当連載もめでたく100回を迎えることになりました。月に1回の連載ですので、期間で見ると8年4カ月ということになります。我ながら長く続いたものだなぁと思いながら第1回を確認してみると、「PPK(ピンピンコロリ)」を題材にして連載を開始していました。PPKは亡くなる直前まで元気なことを意味しており、その回ではPPKの人が多く「ぴんころ地蔵」まで建立した長野県佐久市を例に紹介していました。このときから8年が経過したのですが、日本人を取り巻くPPK事情は改善したのでしょうか、それとも……。
PPKで亡くなる人は増えているのか?
PPKの前に、まず平均寿命について見てみましょう。2018年の簡易生命表を見てみると、男性は81.25歳、女性は87.32歳となっています。2012年の平均寿命は男性79.94歳、女性86.41歳ですから、2012年から2018年までの6年間だけで男性は1.31歳、女性は0.91歳も長寿化しています。老後の資産管理にとってより重要な65歳時点での平均余命も同様で、2018年は男性が19.70年(84.70歳)、女性が24.50年(89.50歳)となっています。2012年は男性が18.89年、女性が23.82年でしたので、それぞれ0.81年、0.68年も長寿化しています。日々の業務に追われているオヤジにとってみると、6年というのはあっという間に過ぎ去る期間だと思いますが、そんな短い間であっても着々と長寿化の影が忍び寄ってきているのです。