録音して自分の声を客観的に聞くことが大事（写真はイメージです） Photo:PIXTA
情報化社会となった現代で生きている私たちは、何でも自分の頭で考えて、判断し、行動していると思い込んでいます。しかし、実際は道を歩くにしても車を運転するにしても、ほとんどのことを無意識で実行できているのです。「意識の力」で何でも頑張るのではなく、このような「無意識の力」に注目することで、人生はより創造的なものになるのではないのでしょうか。たとえば、作家の村上春樹氏や元野球選手のイチロー氏は、一つのことに集中して意識をどんどん深化させ、素晴らしい作品や成果を残されています。これこそまさに、自身の「無意識との対話」によって成せることなのです。そこで今回は広島大学名誉教授・比較宗教学者の町田宗鳳氏の『「無意識」はすべてを知っている』（青春出版社）から、誰でも自身の「無意識」を実感できる方法の一つである「声の力」について述べていきます。
性格や容姿まで変わる？「声の力」
無意識について、誰にでもわかりやすい言葉で説明し、その真実を明るみに出すことは、極めて困難な試みです。もちろん、心理学には夢分析や箱庭療法など、さまざまな臨床的手法があり、みずからの無意識のごく一部の情報ならば入手する方法はあります。それぞれに意識下の情報について新たな発見があり、とても興味深いものがあります。
しかし、意外と注目されていないのが、声です。顔に人相があるように、声にも声相があるのです。易者でも達人となれば、通りすがりの人の人相を見て、その人の運勢をおおよそ言い当てることがあります。声を聞くだけで、それと似たようなことができる人もいます。
