ダメ上司の見分け方
徳谷 少し視点を変えてお話しすると、ダメ上司の定義は人それぞれだともいえます。
普段から「がんばっているね」と褒めてくれたり「早く帰っていいよ」と優しく接してくれたりすれば、一見いい上司のように思えますが、単に部下をうまく飼いならしているだけなのかもしれません。その人の下で働いて全く成長しなければ、ダメ上司に分類されてしまいます。
反対に、一見、仕事に厳しい上司であっても、本人に合わせた支援をしていたことで、半年後に周囲が驚くほど部下が成長していた、といったケースもあります。これは指導力のある上司といえますよね。
熊谷 どう捉えるかは本人次第ではあるけれど、良い上司・ダメ上司はどう見分けたらいいのでしょうか。
徳谷 2つあると考えます。ひとつは、上司が「何のために働いているか」を見極めること。保身や自分の地位向上にしかベクトルが向いていない上司は、基本的にはダメ上司です。
2つ目は、部下の強みと弱みをちゃんと認識した上で機会提供してくれている上司であるかどうかです。
単に、仕事を振ってくる上司はいくらでもいます。肝心なのは、その仕事が部下のキャリアにつながる仕事かどうか。部下が「何のためにその会社に入ってきたか」「今後どうありたいか」「どの仕事をしているときが楽しそうか」など、部下の能力と気持ちをしっかり理解した上で、部下の強みをさらに伸ばすような機会を提供してくれる上司は、良い上司です。