日経平均株価は3月19日には1万6552円まで下落した。その後は新型コロナウイルスの鎮静化への期待や各国政府が積極的に家計・企業の支援策を打ち出したことから、原稿執筆時点では2万円を超える水準まで回復してきた。

 2万円台は3月上旬の急落以来。新型コロナが欧米に広がったショックを市場はほぼ2カ月かけて消化したことになる。

 企業収益が4~6月期を底に回復するというシナリオに基づけば来期は大幅な増益が期待でき、現在の日経平均株価の予想PER(株価収益率)は弊社の予想では16倍強程度となる。ほぼ妥当な水準といえよう。

 アジア、欧州、米国と広がってきた新型コロナだが、米国でも新規感染者数がようやくピークを付けた可能性が見えてきた。ニューヨークの小売店、娯楽施設の来店者数も外出自粛の末少しずつだが回復しつつある(次ページの図参照)。

 中国経済が徐々に平常化していることもあり、投資家も先行きに希望を持てるようになっている。しかし、言うまでもなく感染が再拡大するリスクや業績低迷が予想よりも長引くリスクも考慮する必要があり、株式市場の反発局面がこの勢いで続くとも考えにくい。