正義連の本質は慰安婦支援を口実にした利益集団か

 では、告発されたユン前理事長や正義連はどう反論しているのか。

 正義連やユン前理事長の告発に対する対応を見ると、正義連がいかに欺瞞に満ちた組織で、その組織防衛のためなら何でもするということが、改めて明らかになっている。

 今回告発した元慰安婦のイ・ヨンス氏は、「正義連への寄付金が慰安婦のために使われていない」と非難している。そこで、具体的に正義連の決算報告書を見てみると、寄付金に関するずさんな管理実態が浮き彫りになっている。

 正義連の18年の決算報告書によれば、正義連は18年3月に亡くなった元慰安婦のアン・チョムスンさんに対して4億7000万ウォン(約4128万円)を支給したとしている。この時点で疑問に思うのは、同年1~12月の月別支出総額は4億6908万ウォンで、その金額を上回っているということだ。

 それだけではない。同年に飲食店に対して葬式後の会食などさまざまな会合のために3339万ウォン(約293万円)を支払ったとされている。これは同年の寄付金3億1000万ウォンの1割強である。

 飲食店側は「(実際に)決済した売り上げは972万ウォンで、その中から材料費などの経費430万ウォンを差し引いた残り542万ウォンは寄付金として返還した」と証言している。これが真実であるなら、正義連は実際の決済額を8倍近く水増ししていたことになる。

 正義連はこうした支出は「1回のものではなく、さまざまな場所で支出したものをまとめて計上したものだ」と反論している。

 そうであるならば、「さまざまな場所」の詳細を全て開示すべきだ。しかし内訳の公開は拒否し、詳細な内訳を求める声に対して、「世界のどの営利企業が活動内容を一つ一つ公開しているだろうか」「企業に要求しないことをなぜ要求するのか」と開き直っている。

 極め付けは以下の疑惑だ。

 ユン前理事長の娘は米国カリフォルニア大学バークレー校に留学している。その費用は学費だけで年間4万ドル(約430万円)かかり、生活費を合わせれば700万円は必要だといわれる。

 しかし、ユン夫妻の所得税の納付額から推計した夫妻の年間収入は5000万ウォン(440万円)ほど。留学費用をどこからねん出したかという記者からの質問にユン前理事長は、「1年の全額を奨学金として支援される大学を選んだ」と述べた。だが、その説明の信ぴょう性を疑われると、今度は「夫がスパイ捏造事件で一部無罪判決を受けた刑事補償金を充当した」と説明を修正した。

 さらに、ユン前理事長は寄付金を受け取る際、振込先の口座を正義連の名義ではなく、個人名義の口座にして金を受け取っていたことも明らかになった。しかし、全ての公益団体は寄付金を集める時や支出する際、法人名義の通帳を使用することが普通だ。朝鮮日報は「個人名義の通帳など法律や制度の問題以前に社会の常識からもあってはならないことだ」と批判している。

 実際、集めた寄付金は「葬儀費用」や元慰安婦の海外渡航のためにも使われてはいた。しかし、個人名義の口座ではその金が娘の留学費用に流れたとしても不思議はない。

 加えて朝鮮日報によると正義連および挺対協は16年から19年までに女性家族部や教育部、ソウル市から13億ウォンの国家補助金を受け取っていたが、国税庁に登録した公示では5億3800万ウォンとなっているという。この差額の金はどこに消えたのだろうか。

 疑惑は深まるばかりである。裏付けのない言い訳を信じることはできない。

 イ・ヨンス氏の記者会見で、寄付金の不適切な使用が暴露されると、正義連のハン・ギョンヒ事務総長は「イさんは92歳で、心身がひどく弱っている状態だ。イさんの記憶は歪曲された部分がある」と、イ氏を侮辱するかのような説明をした。

 ユン氏は自身に向けられた非難に対して「6カ月間、家族や知人たちの息づかいまで暴きたてられた曺国(チョ・グク)前法務大臣のことを思い出す」と開き直り、逆にマスコミ非難を繰り広げた。