広報会社の経営者でニューヨークに拠点を置くベンジャミン・シュメーラー氏の電子メールの文面には、今の世界がよく表れている。感嘆符や絵文字は使わなくなった。あいさつは定型文をやめ、もっと心のこもったものにしている。最近はメールの最後に「健やかに、心を強くもってお過ごしください」と書いている。新型コロナウイルスの流行が続く中、仕事に取り組む多くの人と同じように、シュメーラー氏もメールの相手に気遣いを示したいと考えている。「どんなメモでも少なくとも、人々が感じている集団としての弱さを気に掛けるべき」と話す。オフィスでの雑談がなくなり、文面によるコミュニケーションにも変化が起きている。電子メールや携帯メール、インスタントメッセージ、ビジネス向けチャットツール「スラック」を通じたやりとりはこれまでより個人的なものになりつつある。人々は仕事先の人と気持ちのつながりを感じられるように、凝ったあいさつの言葉を使ったり、思いやりのある言葉を末尾に添えたりしている。