キヤノンから魅力的なビデオカメラが誕生した。ダブルメモリ方式の「アイビス」だ。ダブルメモリとは、本体に16GBのフラッシュメモリーを内蔵し、さらにSDカードスロットを持っていると言うこと。内蔵メモリだけでも最高画質で2時間5分の撮影が可能だ。画質は、1920×1080ドットのフルハイビジョンでビットレートは約17Mbpsとなっており、まあ、普通のユーザーが利用するには十分なクォリティだ。

キヤノンから3月上旬に発売予定の「アイビス」
キヤノンから3月上旬に発売予定の「アイビス」

 パナソニックも以前から、SDカードタイプのビデオカメラを投入しており、いよいよ動画撮影のメディアもメモリになっていくのか、なかなか興味深いところだ。

 ところが、実態は百花繚乱状態で、最も店頭でよく見かけるのはハードディスクに記録するタイプだ。さらに、旧来からあるテープに加え、8センチDVDやブルーレイ・ディスク(BD)に直接書き込むタイプまで登場している。

 いったい何を買えばよいのか悩んでいるユーザーも多いだろう。

 だが、キヤノンでは、ゆくゆくはメモリが最優位と判断している。

 「現状では、ハードディスクの容量単価にかないませんが、メモリの容量も倍、倍で増えています。さらに、価格もどんどん安くなり、ゆくゆくはハードディスクよりビデオ向きの記録媒体になると思っています」(キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ビデオカメラマーケティング企画部課長 柘植達也氏)

 確かに、ビデオカメラにとってメモリは、価格さえ考えなければ最適なメディアだ。なんと言ってもサイズが小さいのが最大のメリットで、アイビスは約380グラムだ。僕は600グラムを超えるハードディスクタイプのビデオカメラを愛用しているが、数十分手に持って撮影するのは非常に辛い。380グラムなら、長時間の撮影でも負担なく使い続けられるだろう。

 また、ハードディスクと違って機械的な動作がないので、衝撃に強い。ビデオの場合、録画時間がかかるので書き込み速度はあまり問題にならないが、レスポンスの早さは大きなメリットになる。ちなみに、アイビスの場合、起動時間は約1秒だ。