佐藤 たとえば最大のテーマの1つに、「高齢化」があります。高齢化が難しいのは、安心して過ごせる医療体制を構築しながらも、財政破綻しないためには医療経済性をも満たさなければならないこと。幸い、AIやデータマネジメント、ロボットなどが普及期に入ったことで、実用的な解決の糸口が見出されようとしています。

 ただ、こうした新しいテクノロジーなども活用するには、当社と一緒に開発に取り組んでくださる企業や医療機関、患者の皆さまのご協力が不可欠です。この共同システムの中で、私たち自身が必要とされる存在になるためには、モノだけではなく、新しい価値や事業を率先して提案できる会社にならないといけないのです。「医療は永遠」ですが、「事業モデルは次から次へと変わっていくもの」であり、我々自身が時代に応じて変化していく必要があるということです。

多田 では、その新しい社会で求められる人材については、どのようにお考えでしょうか。

佐藤 自分自身の頭で考え、課題を発見していけるかどうかが重要です。たとえば、病院や患者の皆さまと積極的に対話を重ね、潜在的な課題を発見していけるかどうかが、この変化の著しい時代においては必要になってくるでしょう。

 ビジネスモデルが変わっていく以上、働き方も変わります。将来の課題に挑み、社外の異業種の人たちとも積極的に関わり、解決策を打ち立てていく働き方が求められます。そのためにも、今後必要な能力を磨いたり、経験が得られたりするよう、会社としてもサポートしていきたいと思っています。

ヒットやホームランの数ばかり
気にするだけでは面白くない

テルモがグローバルで勝ち続ける理由、全員で共有する「価値観」重視の戦略とは

多田 社内・社外、業種を超えて一緒に働くことが、ますます大事になるということですね。

佐藤 ええ。仲間やチームと一緒になって成功させることに価値を見出せる人と一緒に働きたいと考えています。自分の打率、ヒットやホームランの数ばかり気にするだけでは面白くないですよね。せっかく一緒に働くのですから、同じ志で、チームスピリットを大事にしながら、社会に貢献していく「物語」を一緒に築いていきたいですね。

多田 まさに、「コアバリューズ」が1人ひとりの想いをつなげる重要な役割を担っているのですね。テルモの今後の展開も楽しみにしています。本日はありがとうございました。