上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。
さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。
『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。
今回は、「管理会社と交渉するコツ」について。専門的な知識や情報、時間などの差を埋めるため、必要に応じて外部のプロを活用しましょう。

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申入れや回答は文書で行う

 マンション管理の主役は区分所有者であり、その団体である管理組合です。ただ、区分所有者の多くは仕事や家事があり、役員も管理組合の活動にそれほど時間を割けるわけでありません。

 また、マンション管理においては建築、法律、財務などの専門知識が必要ですが、これらについて区分所有者の多くは素人でしょう。

 そこで管理会社と担当者に頼るわけですが、管理組合が管理会社に対して管理業務を任せることは法律上、「準委任契約」(委任契約の一種)に当たります。委任契約では、委任を受ける側に「委任の本旨に従い、善良な管理者の注意」(民法644条)が要求されます。マンション管理では管理組合の立場に立ち、そのメリットになるよう行動することが求められるのです。

 しかし、実際にそうなっているかどうかは別です。担当者が個人的にそう思っても、担当物件が多すぎて手が回らないといったことは珍しくありません。管理員の質もバラツキがあります。

 そこで問題があれば、管理会社と交渉することになります。最初は担当者に口頭で伝えるのでもいいですが、改善されないようであれば組織どうしの問題として交渉すべきです。その際、事実関係が重要です。印象ではなく、いつ、どこで、どのような問題があったのか情報を集め、整理する必要があります。

 また、申入れや要求は基本的に文書で行い、文書で回答をもらいます。口頭だけでは「言った、言わない」の話になりやすく、時間ばかり経ってしまいます。文書にすることで、役員が交代しても経緯を引き継ぐことができます。

 さらに、外部の専門家を活用することも考えましょう。管理会社との知識や情報、時間などの差を埋めるために有効です。

(本原稿は、ソーシャルジャジメントシステム編、廣田晃崇著『マンション管理はこうして見直しなさい[新版]』からの抜粋です)