上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。
さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。
『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。
今回、本書の中から紹介するのは、「台風や大雨による浸水リスク」。浸水リスクは立地条件のほか、建物・設備の設計などによっても変わってきます。マンションの弱点を知り、管理組合として対策を講じていくべきです。

Photo: Adobe Stock

ハザードマップで想定される浸水の程度を確認

 毎年のように発生している台風や豪雨による浸水被害。集中豪雨による河川の氾濫だけでなく、市街地でも排水が追い付かなくなって発生する「内水氾濫」の被害も増加しています。2019年10月には、神奈川県川崎市でタワーマンションの地下階が水没して大きなニュースにもなりました。今後も同じような浸水被害が発生する可能性は高いと言わざるをえません。

 では、浸水リスクにどうやって備えるのか。まずは、マンションの立地条件を確認しましょう。各自治体が公表しているハザードマップで、想定される浸水の程度が分かります

 また、同じエリアでもマンションによって想定される浸水リスクの程度は違います。例えば、前面道路よりエントランスが低いと浸水の可能性が高まります。また、半地下になっている住戸や機械式駐車場の地下ピットも浸水リスクは高いといえます。

 管理組合でできる対策としては、エントランスなどからの水の浸入を防ぐため、土のうや止水板などを用意することが考えられます。最近は「水のう」といって、水を入れたり、水を吸収することで土のうの機能を果たす製品もあり、使いやすさの点で優れます。また、マンションには「借室電気室」や「自家用受変電設備」といった電気設備があり、これらが浸水すると長時間にわたって停電し、給水ポンプやエレベーターが止まってしまいます。浸水リスクの高い立地であれば、設計段階で電気設備を高い場所に置く配慮が望ましいですし、後からであれば土のうや止水板を用意しておくとよいでしょう

 そのほか、管理組合で加入している火災保険に水災補償が含まれているか、補償内容がどうなっているかも確認しましょう

(本原稿は、ソーシャルジャジメントシステム編、廣田晃崇著『マンション管理はこうして見直しなさい[新版]』からの抜粋です