上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。
さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。
『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。
今回は、「免震マンションと地震」について。免震は大地震の揺れを軽減する効果が期待されますが、長周期地震動の影響など未知の部分もあります。「絶対、大丈夫」というわけではありません。

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揺れを受け流す「免震」、揺れを打ち消す「制震」

 地震に対する建物の安全性を確保するためには、もともと「耐震」という考え方が基本になっています。これは建物の構造を頑丈につくり、地震の揺れに対抗するものです。

 それに加えて、最近は技術開発が進み、「免震」や「制震」という新しい考え方も出てきています。

「免震」とは、地震の揺れを“受け流す”装置を基礎と建物の間に設置するもので、マンションの場合、特殊なゴムと鉄板を何層にも積み重ねた円柱の部材(アイソレーター)を使うケースが一般的です。

 もうひとつの「制震」は、地震の揺れを“打ち消す”装置を構造に組み込むものです。こちらもいろいろな方法があり、柱や梁の間に鋼製のダンパーを入れたりします。

 免震、制震ともにコストが掛かり、マンションではタワーマンションなど大規模な建物で免震を採用するケースが見られますが、制震は中古マンションの耐震補強で少し見られる程度です。