取引先に「直接ご挨拶に伺う」のを止める勇気を

「ここは直接お会いして…」「一度、直接ご挨拶を…」という言葉が頻繁に出てくるように、中小企業や行政で働く方は、フェイス・トゥ・フェイスでリアルに会うことをとても重視しているように感じます。

 初対面でバックグラウンドチェックや相性の確認も含めて会うのならいいと思いますが、2回目以降の慣れた仲なら、ほとんどの打ち合わせは〈ZOOM〉、〈スカイプ〉やMicrosoft Teams、iPhoneなら〈フェイスタイム〉等を使ってネット上で済むはずです。

 余談ですが直接会っての打ち合わせといっても、ずらずら複数でやってくる同行者の中には会議中に一度も口を開かず帰る人も少なくありません。打ち合わせ後に、「そういえばあの人の肉声を聞かなかったな」と冗談ではなく思うことは多いです。

 それは出張や外出のムダ使いです。自分の普段の仕事と同時ないし並行し、社会をベターにするために動いていこうというのがSDGsですから、ロジカルに考えたら本業の生産性を高めることが大事。より社会のために考える時間や、社会のために使うエネルギーを確保できるからです。

 たしかにネットを介しての会議や打ち合わせは“挨拶”や“直接”を重んじる日本の文化には合わないかもしれません。もしくは交通網が発達し、道路がよく、車検もあってクルマが故障しにくい国故、「そこへ行く」が簡単にできてしまうからかもしれません。でも、今日の午後にクルマに乗って出向いた“ご挨拶”や、明日飛行機に乗って参加する(ネットで済む)報告会議…、それらも一つひとつをつなげば気候変動に影響するかもしれないのです。

 問題は、どこの地域でも業界でも、誰がこのルールを先駆者としてはじめるのか。私はSDGsに真剣に取り組もうとする中小企業の中から出てきてほしいと願っています。