新型コロナウイルスの影響で、就職活動を取り巻く状況は一変している。会社説明会の中止・延期などで、企業側との接点が少なくなっているうえ、面接や筆記試験のオンライン化などで、これまでの常識が通用しなくなってしまったのだ。学生からは、「就職部に相談できない」「OB訪問ができない」、など、SNS上で不安が多く挙がっている。

 新卒採用サービスを運営するワンキャリア主催の新卒者向けYouTube企業説明会には、事前申し込みだけで20,000人の学生が殺到したという。就活生は、めまぐるしく変わる状況のなかで、最新の情報を仕入れたり、WEB面接の練習をしたり、これまでとは違った準備が必要とされてきている。

 一方、転職市場に目を向けると、 厚生労働省発表の3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.39倍。前月より0.06ポイント下がり、3年半ぶりに1.4倍を割った。加えて、3月の新規求人は12.1%減と、転職希望者にとっては厳しい状況となっている。

 とはいえ、就職情報会社学情が行ったアンケートによると、テレワークを実施している転職希望者の70.4%が「時間ができたこと」で転職活動に積極的になったと回答。情報収集する時間ができたことで、転職活動への積極度が高くなっていると言える。実際、ダイヤモンド社から2018年に発売されている『転職の思考法』は、ゴールデンウイーク中、ネット書店では前年比160%の売り上げとなった。

 また、同アンケートによると、「テレワークで場所を選ばずに仕事ができることがわかった」「都市部で働くことにリスクを感じた」などの理由で、地方への転職を希望する人が36%と、2月の調査と比べるとおよそ14ポイント多くなったという。まさに、withコロナ時代の新しい働き方とも言えるだろう。

 合同説明会は大きな会場を借りて大規模に開催する、面接は必ず対面で行う、就職は大都市でする、などといった今までの常識は覆され、コロナ禍により、「仕事選びの形」が少しずつ変わりつつある。早い人は状況を見極め、この状況下でも積極的に動いているのだ。

 前出『転職の思考法』の著者、北野唯我氏はwithコロナ時代の転職活動についてこうコメントする。「私はこの本を通じて、すべての人が『いつでも転職できる状態』をつくりたいと本気で願っています。なぜなら、すべての働く人がいつでも転職できるだけの『市場価値』を持てたとしたら、あなたの生き方すらも変わる可能性があるからです。そしてそのために、必要なのは単なるうわべの『転職情報』ではなく、情報を見極める『思考の軸』です。今、目の前で起きている変化の本質とは、古き日本型雇用の崩壊と、その代案の不在です。2人に1人が『人生で一度は転職する時代』。これを機会に、しっかり、あなたの市場価値を見つめる機会を持ちませんか?」