株式市場は3月の底値から劇的に反発した。一方、消費者心理は約10年ぶりの水準に冷え込んだままだ。このような乖離(かいり)は、いま投資家が判断に苦しむ多くの現実の1つだ。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、S&P500種株価指数とミシガン大学消費者信頼感指数の月間変動率の差は先月、32ポイントまで拡大した。これほどの隔たりが生じたのは1978年以来となる。消費者心理の悪化は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって数多くの課題が一気に押し寄せたことを反映する。米経済はほぼ一夜にして拡大局面から急速な縮小へと転換した。失業率は過去最低から過去最高へと上昇。3月の個人所得は2013年以来の大幅減少に見舞われ、消費支出は1959年以降で最大の落ち込みを記録した。4月のデータは29日に発表されるが、さらなる悪化が予想される。