近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのか?
実は、付属校の入試問題は、「御三家」を頂点とする進学校のような難問があまり出ないので、大手塾で落ちこぼれたり、偏差値が20足りない子でも、付属校に“特化した”勉強をすれば、「逆転合格」できる可能性は高いのです。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、知られざる付属校受験の実態や、合格のためのノウハウの一部をお伝えします。
前回までの連載で、付属校が進学校よりも対策がしやすく、「普通の子」にとって入りやすいことを説明してきました。とはいっても、「大学入試改革」と「定員数の削減」による近年の大学付属校ブームにより、偏差値は軒並み上昇中であることも事実。「簡単には入れなくなっているんじゃないの?」と思われる方も多いかと思います。
確かに、早慶のトップ校や偏差値が71(男子。女子は73*偏差値は首都圏模試センターによる)に達した明大明治など、すでに手が届きにくい学校もありますが(それでも同じ偏差値帯の進学校よりは対策しやすいと断言します)、そのような一部の学校を除いては、まだまだ入りやすい学校はたくさんあります。
例えば明治狙いの男子であれば明大中野(偏差値66)です。偏差値は明中八王子(63)のほうが低いのですが、募集人数が違います。男子校の中野は240名と、八王子の約3倍の人数の男子を取ります。男子であれば明大中野のほうが可能性は高いと思われます。
明大中野や立教新座(70)は、ある程度の基礎があれば、1年の志望校対策で合格を手にできる可能性が非常に高い学校です。私も多くの生徒を合格させてきました。なぜならこれらの学校は志望校対策がしやすく、難関進学校に合格するために必要となる特別な「才能」がいらないからです。普通の子でも対策さえすれば合格できる学校なのです。
実際に、偏差値66の明大中野より、偏差値が一つ落ちる巣鴨や暁星、城北といった進学校のほうがずっと合格は難しい。巣鴨は特に、御三家を受ける子たちが併願校として受ける学校ですから、難関校の一つとなっています。
また、中央大学附属は偏差値66(男子。女子は67)ですが、本書でも解説しているように中央大学への推薦を保持したまま他大学の受験が可能という非常に優遇された条件を持つ学校です。他大学への進学の可能性を捨てたくない場合におすすめです。
GMARCH以外のおすすめ付属校
GMARCHからは外れますが、成蹊(男子63・女子66)と成城学園(男子61・女子63)は、ともにワンキャンパス(成城は幼稚園、成蹊は小学校から大学までひとつのキャンパス)の共学校で、共通点も多く固定ファンの多い学校です。この2校も推薦の資格を保持しつつ他大学への受験が可能です。
成蹊中学校は記述問題が多く、問題の難易度は付属校の中では高めとなっていますが、一方の成城学園中学校は、問題がとても素直で付属校らしい出題が特徴です。