“不完全燃焼”で終わる片づけには
共通の原因がある
私は、整理収納サポートのご依頼を受けてさまざまなご家庭を訪問しています。現場でよくお聞きするのが“依頼者がこれまでに経験した片づけの失敗談”です。
いちばん多いのが「途中でどうして良いか分からなくなり、途方に暮れてしまった」「やる気はあったのに、不完全燃焼で終わった」というエピソードです。
「収納から出すだけ出した後で、広げたものの量に圧倒されてしまう」
「断捨離しようと思っていたのに意外に捨てられなかった」
「結局ほとんど元々あったように戻して終わり」
せっかくがんばろうと思ったのに中途半端な結果で終わり、モヤモヤしているところに、さらに家族から「あんまり変わってないね」と言われて挫折感を味わう、というようなこともあるようです。
片づけが中途半端に終わるのは、なぜなのでしょうか?
不完全燃焼の原因はずばり、「目標なき作業」にあります。「今日の片づけは、何をやり切ればOKなのか」が決まっていないと、途中から迷走し始めます。手が止まって途方に暮れたり、やたら細かい仕分けにハマって時間をロスしたり、あちこちに手をつけて収拾のつかない状態に陥ったりしてしまうのです。
具体的な目標を立てることの効果は、疲れてきたときにこそ発揮されます。「あと○○だけ終われば今日の片づけの目標は達成だから、もう少しだけがんばろう」と思える具体的な達成ラインが見えていることは、最後までやり切るエネルギーにつながります。
実は、現場で一緒に作業していても、「依頼者がどうして良いか分からない状態に陥ってしまう」ことはよくあります。そういうときに私がどのようなアドバイスをしながら「今日の片づけはうまくできた!」と本人が思える成果につなげているのかを、「片づけの不完全燃焼回避法」として3つの切り口からお伝えします。