サウジアラビアなど中東諸国で、新型コロナウイルス感染者が急増している。このため、一部では規制を緩和してからわずか数週間で再びロックダウン(封鎖措置)を導入せざるを得なくなっている。このことは、発展途上国で新型コロナ流行の勢いが増していることを示唆している。各国は欧米に倣い、新型コロナ対策の制限措置解除を進めてきた。だが中東諸国での急速な感染拡大「第2波」は、人口集中地区で経済活動を性急に再開することのリスクを浮き彫りにしている。こうした地区では、医療インフラが十分に整っていないことが多い。ブラジル、インド、ナイジェリアのような新興国は規制緩和を進めているが、感染の封じ込めに苦戦している。中東で感染者が再び増加している背景には、イスラム教のラマダン(断食月)期間中の外出制限が緩かったことがある。また新型コロナ流行前にロックダウンを実施したため、多くの国では最も必要としている時期に自粛疲れが広がっている。