安倍政権が迷走に迷走を重ねているように見える一方で、現場で陣頭指揮する地方自治体首長や、自粛・休業に協力するさまざまな業者・個人の頑張りで何とかやってきたのだ(第240回)。それを重症者・死者数が少ないという部分だけを切り取って自らの成果と誇るのは、首相としてあまりにも軽すぎる発言だ。

 威勢のいいことを言えば国民が拍手喝采し、周囲が持ち上げてくれる――。安倍晋三という政治家は、骨の髄からそう思っているのだろう。このお坊ちゃま政治家の不思議なほどの楽観性は、本人だけの問題ではない。それをずっと「神輿」として利用してきた政治家が、もっと悪い連中だ。

 そして新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の国難を受けて、それは日本の将来に取り返しのつかない禍根を残すことになるのかもしれない。

2次補正予算で自民党に懸念
財政出動のタガが外れていないか

 6月12日、新型コロナウイルス対策の20年度第2次補正予算案が参院本会議で可決し、成立した。一般会計の歳出総額は補正予算として過去最大の31兆9114億円となった。そして、次のような支援策が含まれることになった。

(1)自粛要請などで売り上げが激減した中小企業・個人事業者の事業継続を下支えするため、固定費の中で大きな負担となっている家賃の一部を支給する、給付額最大600万円の「家賃支援給付金」
(2)勤務先の資金繰り悪化などで休業手当を受け取れない人に国が休業手当を直接給付する「休業支援金」の創設
(3)雇用を維持するために従業員を休業させる企業に対し、休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」の上限額を1日当たり現行の8330円から1万5000円に引き上げ
(4)中小企業・個人事業者に最大200万円を給付する「持続化給付金」の対象拡大
(5)無利子・無担保融資の大幅拡充などの支援策

 補正予算について筆者が1つ指摘したいのは、「1次補正」と「2次補正」の順番が逆であるべきだったのではないかということだ。この連載では、「平時の経済をV字回復させる」ような経済対策は、新型コロナウイルスの感染拡大が収束してから行うべきで、まずは「戦時体制」のような予算を編成すべきだと主張した(第239回)。ウイルスとの戦いは、「家にいて人に会わないこと」が基本であり、「国民にどんどん外出して消費してもらって、経済を活性化する」という平時の経済対策が通用しない状況だからだ。