米国や日本の株式市場、特に米国のナスダック市場はコロナバブルのような「空前の活況」を呈している。本来、米国は中国に比べると、新型コロナウイルスの感染拡大による被害が大きな国であり、実体経済への影響も大きなはずである。その米国で実体経済との大きな乖離は何を意味するのか。医師であり、かつビジネススクールでヘルスケアビジネスを教える筆者が考察する。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹)
コロナバブルか?
株式市場は活況
新型コロナウイルスの感染拡大によって、各国は非常に大きなダメージを受けた。最初は中国、次いで欧州や米国、そして、今は新興国がその洗礼を受けている。
しかしながら、株式市場は大きなアップダウンこそあるものの、「空前の活況」の様相を呈しており、実体経済との乖離が指摘されている。
例えば、全米経済研究所は2006年6月から始まった景気拡大がすでに後退局面に入っているとしているが、米国ナスダック(NASDAQ)市場は6月10日に史上最高値となった。
いずれにせよ、現段階では実体経済と株式市場の乖離は著しいように見える。