我々は、いったいいつまで我慢を続けなければならないのか。第一生命経済研究所 経済調査部の永濱利廣・主席エコノミストは、今後の給与・ボーナスの見通しについてこう語る。

「大企業のボーナスは春冬一緒に決まってしまうので、冬も状況は厳しいでしょう。震災対策の恩恵を受けている企業(公共事業、自動車など)があることから、一部まだら模様。しかし全体としては、低迷すると見ています」

「低収入高支出」の二重苦傾向
家庭を苦しめる負担増の3大要素

 国民の生活苦はまだまだ続きそうだが、実は先行きにはもっと深刻な問題が見えている。給与・ボーナスが低空飛行を続け、ただでさえ苦しい今の状況に加え、生活に対する負担がこれからますます増していくことが予測されているのだ。これではまさに「二重苦」である。前出の永濱氏は、負担増の3大要素を挙げる。

 第一に「税負担増」だ。今月10日、消費税増税をメインとする社会保障・税一体改革関連法が、参院本会議で採決され可決、成立した。現在5%の消費税率は、2014年4月に8%、15年10月に10%へと段階的に引き上げられることになる。

 いわずもがな、消費税は何か買い物をするたびに発生するため、増税が市民の生活に与える影響は大きい。第一生命経済研究所の試算では、夫婦のどちらかが働く子ども2人の標準世帯で、年収が500万~550万円のケースでは、消費税率が8%になった段階で年間7万2948円、10%になった段階で11万9369円も負担が増えるという。

 ちっとも消費が盛り上がらないなか、皮肉にも消費税増税を前に駆け込み需要が見られる業界もある。お盆にかけての夏休み期間中、住宅メーカー各社の展示場は住まい探しのお客で盛り上がったそうだ。

 住宅展示場協議会によると、7月の全国の住宅展示場の来場者は前年比約6.2%増の19万6000組となった。しかし、これはあくまで特需であり、需要の「先食い」である。消費税が増税されたあとは、ピタリと止んでしまう可能性がある。

 消費税ばかりではない。東日本大震災の復興財源を確保するための増税も控えている。所得税は来年1月から現在の納税額に2.1%分上乗せされる。高齢化を受け、サラリーマンらが払う厚生年金保険料が2016年から2029年まで毎年引き上げられるなど、社会保険料も上昇。さらに今年6月には、子育て世帯の負担軽減策だった住民税の年少扶養控除も廃止された。永濱氏は「税負担増につながる話題は目白押し状態です」と話す。