米ミネソタ州ミネアポリスの警官にジョージ・フロイドさんが殺害された2日後の5月27日、テレビプロデューサーのレジー・ロック・バイスウッド氏は、他のプロデューサーらと電話会議をした。
プロデューサーたちは新型コロナウイルス流行で停止していた活動をどう再開していけばいいか意見を交換しあっていた。だが、バイスウッド氏の電話にはフロイドさんが拘束され死亡した動画を巡り、怒りのテキストメッセージが友人から大量に送られてきていた。
「私の世界ではある意味、非常に切迫した問題だが、彼らの世界では明らかにそうではないように見えた」と、バイスウッド氏はこの時の電話会議を振り返る。「彼らが悪人だという意味ではない。そこには分断があるということだ」。人種問題をはらむ警官の射殺事件をテーマにしたFOXのミニシリーズ「ショット・ファイヤー 運命の銃弾」は同氏が手掛けたもので、批評家から高い評価を受けた。
過去数週間にわたり警官の残虐行為に反対する抗議デモが続き、法執行機関の役割が見直される中、バイスウッド氏が感じている切迫感は今、エンターテインメント業界全体に拡大している。