激化する黒人暴行死抗議デモ
白人警官の横暴はなぜ止まらないか
米国でまたもや繰り返された、白人警官の過剰な力の行使(不当な暴力)による黒人男性の殺害。中西部ミネソタ州のミネアポリスで5月25日、丸腰の黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)が、白人警官の膝で首を圧迫されて死亡した。
事件に関わった4人の警察官は免職となり、主犯格のデレク・チョービン容疑者(44)が第2級殺人罪(殺意があった)で、他の3人は殺人幇助罪で訴追された。
事件の目撃者が撮影した約10分間の動画には、目をそらしたくなるような恐ろしい映像が含まれていた。
手錠をかけられ、白人警官の膝で首を地面に押しつけられたフロイドさんは、「アイ・キャント・ブリーズ(息ができない)!お願いです。助けてください」と必死に訴えたが、警官は膝をどかそうとしなかった。
苦しそうに喘いでいるフロイドさんを見て、複数の通行人は「ヒーズ・ノット・ムービング(動いていないじゃないか)」「鼻から血が出ている」「脈拍を測った方がいい」などと叫び、暴力行為を止めるように促した。しかし、警官たちはそれを無視し続けた。
それから7、8分が経過し、まったく動かなくなったフロイドさんは救急車で近くの病院に搬送されたが、到着直後に死亡が確認されたという。
フロイドさんの親族によれば、彼は高校時代にアメリカンフットボールの選手として活躍し、恋人から「優しい巨人」と呼ばれていた。そして、5年前からレストランの警備員として働いていたが、「皆を楽しい気持ちにするパワーの持ち主」として誰からも愛されていたそうだ。そんな彼がなぜ、殺されなければならなかったのか。