都知事選看板
東京都知事選挙が告示されましたが、どの候補が当選しても東京の国際的な競争力は上がらないのではないでしょうか Photo:Rodrigo Reyes Marin/AFLO

 東京都知事選が告示されました。現職の小池百合子知事を筆頭に主要候補の顔ぶれを見ると、猛獣や珍獣がそろったサファリパークみたいな感じもしますが、やはり注目すべきは各候補の選挙公約です。

 ただ、少なくとも現状明らかになっている各候補の主張を見る限り、どの候補にも共通して大きな問題があると思います。これでは、どの候補が知事になっても、都市としての東京の競争力は高まらないのではないでしょうか。

コロナ前の東京の再現ばかりでいいのか?

 その大きな問題点とは、一言で言えば、どの候補も「コロナ前の東京の再現」ばかりを言っていることです。

 というのは、コロナウイルスの流行はまさに100年に一度の災厄である以上、幾つもの不可逆的な構造変化を社会にもたらすので、人の価値観や都市・社会のあり方も大きく変えるはずだからです。

 そうした当たり前のことを考えると、コロナ禍の最中での都知事選であるからこそ、これから長く続くであろう“ウィズコロナ”“アフターコロナ”の時代に東京はどのような都市に進化すべきか、どのような価値観を重視すべきかといったビジョンを明確にし、その実現にどのような政策が必要と考えているのかを、各候補は明確にすべきなのです。

 ところが、例えば小池知事の公約を見ると、9つの柱のうちの「コロナの感染拡大防止」は知事としては当たり前の仕事です。さらに、デジタル化の推進やシニア活躍、共生社会といった政策課題も、コロナ前から進める必要があった当たり前の政策です。アフターコロナの東京が目指すべき姿を語らず、コロナ前からの当たり前の課題ばかりを並べて「東京大改革2.0」と大見得を切られても、都民からすれば、ちょっと困るよなあと感じてしまうのではないでしょうか。