企業経営に必須機能となっている「コミュニティ」。顧客や消費者がプロダクトの熱心なファンになれば、企業はぐんぐん成長できます。しかし、突然「コミュニティをつくる」といっても、一体、何から始めればいいのでしょうか。『ファンをはぐくみ事業を成長させる「コミュニティ」づくりの教科書』の著者が、コミュニティづくりに成功している人々のもとを訪れて、その秘訣を聞き出します。今回、訪れたのは北海道の札幌を舞台にカンファレンスや展示、イベント、交流、実証実験などを展開し、新しい時代の社会や未来をつくるコンベンション「NoMaps」事務局長の廣瀬岳史さん。インタビュー前編(詳細は「北海道の大規模カンファレンス「NoMaps」大成功のワケ」)に続き、札幌を舞台にした大規模コンベンションが成功した秘訣をうかがいます。(構成/蛯谷 敏)。

左から河原あず氏、廣瀬岳史氏、藤田祐司氏(撮影:古立康三、ほかも同じ)

藤田祐司さん(以下、藤田):企業が少しずつコミュニティづくりに乗り出すようになって、手探りでコミュニティを運営し始めたビジネスパーソンも増えています。その中で、多くのコミュニティ運営者が悩んでいるのが、一度立ち上げたコミュニティの熱量をどう維持するかという点です。

 前編(「北海道の大規模カンファレンス「NoMaps」大成功のワケ」)では廣瀬さんが事務局長を務める札幌を舞台にしてた新しい時代の社会や未来をつくるコンベンション「NoMaps」についてお話を伺いました。「NoMaps」もベント開催期間中はすごく盛り上がると思います。それが終わった後は、熱量を維持するためのどんな工夫をしていますか。


廣瀬岳史さん(以下、廣瀬):前提として捉え方を変える必要があるかも知れません。私は「NoMaps」を単発のイベントとは見ていなくて、年間を通じて続けているプロジェクトだと考えています。

 例えば地元の学校と連携をしたミートアップを開催したり、企業と実証実験をしたりするミニイベントを続けていますが、そうしたミニイベントはすべて、10月に開催する「NoMaps」につなげていくわけです。

 さらに「NoMaps」で出会った人同士で新しい企画が生まれたら、それを次のミニイベントにつなげたりもしています。これらの動きが「点」にならないように、常に「線」を頭に描いて企画をつくっています。

藤田:廣瀬さんにもう一つ聞きたいのは、コミュニティがもたらした「成果」をどう測るかという点です。通常、企業活動の場合は重要業績評価指標(KPI)を設定します。つまり、ビジネスにどの程度貢献したかを数字で評価するわけです。

 ところがコミュニティは性質的に、成果が図りにくい。「NoMaps」のイベントで知らない人同士がつながって、結果として何かおもしろいプロジェクトが生まれたとしても、それを数字で捉えることは難しい。この辺はどう考えていますか。