『ファンをはぐくみ事業を成長させる「コミュニティ」づくりの教科書』の発売に合わせて、コミュニティ運営者などが集まるオープンコミュニティ「河原あず・藤田祐司のコミュつく!」がスタートしました。同時に毎週火曜夜9時~10時には、生配信オンラインイベント「コミュつく!」をシリーズ開催しています。本連載ではその内容を紹介。「コミュつく!」2回のゲストとして登場したのは『複業の教科書』の著者であり複業研究家として、働き方改革などのコンサルティングを行う西村創一朗さん。長くコミュニティづくりに携わってきた西村氏は、活動を盛り上げるには「保温」と「加熱」を繰り返すことが大切と語ってくれました(詳細は前編「「保温」と「加熱」でコミュニティを盛り上げろ!」)。後編では、人と人がなかなか直接会えない時代だからこそ、誰もが遠距離恋愛化すると語る。
藤田祐司さん(以下、藤田):コロナショックを経て、世の中の価値観が変わり、コミュニティ活動でもリアルに集まることが難しくなってきました。またこれから少しずつ、人が集まるようになると思いますが、きっとコロナ前と全く同じように戻るとは考えられません。この先、コミュニティ運営はどのように変わると思いますか。
西村創一朗さん(以下、西村):本質的な部分は変わらないはずです。いかに熱量を高め、それを保温し、つながり、学び合うか。それがコミュニティ活動の本質ですから。
ただ、その手段は大きく変わるはずです。今ではオンラインイベントの数は急増しました。でもコロナ前までは、イベントといえばオフライしかありませんでした。オフラインイベントで高めた熱量を、オンラインのコミュニケーションでケアしていたわけです。それが、オンラインイベントという選択肢が増えたことで、これまでの前提が大きく変わってきています。
きっとこれからの考え方としては、リアルで会うのは「ここぞ」という時に限られるのではないでしょうか。例えば、一人の登壇者が多くの参加者に向けて話をする「1対n型」や「講演型」さらにはやはり同じように複数人の登壇者のやり取りを参加者が見るだけの「パネルトーク型」のイベントは、リアルで見る必要はありません。
単に情報を取り込むだけなら、オンラインで十分なのです。人間関係を構築するのもある程度ならオンラインでできるようになった。イベント運営者にとっても、リアルで集まると飲食を用意したり、会場を手配したりするコストがかかります。それがもう必要ないと分かったわけです。
ですからこれから先は、オンラインイベントを主軸にしながら、「ここぞ」という時だけリアルで会って熱量を高めていくようになるはずです。オンラインとオフラインの使い分けが、コロナ後の世界では大切になると考えています。