遠距離恋愛と似ている、コロナ時代の人間関係

西村:遠距離恋愛と近いのかもしれませんね。直接会えた時の盛り上がり方は、日常的に会っているカップルとは比べものにならないはずです。

藤田:最初からオンラインだけでコミュニティを運営することもできるのでしょうか。

西村:やりようではないでしょうか。恋愛に例えると、Zoomで知り合って、Zoomでデートを重ねてカップルが、外出自粛が解けてついにリアルで会えるようになった。それはそれは感動的なイベントになるはずです。

 会社でも同じようなことが起こっていて、4~5月に入社した社員は、オンラインで入社式や研修をスタートさせました。それが6月に初めてオフィスでリアルで会った。「雑談がすごく盛り上がりました」という話も聞きました。

藤田:一方で、オンラインで放置されたまま気持ちが冷めて、実際にリアルで会う前に会社を辞めた、というケースもありますよね。会社側も、組織内のコミュニケーションの設計をきちんと考えるようになるべきなのでしょうね。

 オフラインでのコミュニケーションが中心のコミュニティが、今回のコロナを受けてガタガタになっているという相談もあります。

西村:これも前提条件によるはずです。リモートワークが進む中で、それを面白がっている人もいれば、早くオフィスに戻りたいという人もいます。コミュニティにも全く同じことが起こっていて、オフラインで会うことにこだわるコミュニティは、ズームなどオンラインでのコミュニケーションを避ける傾向があるようです。

 オンラインに適応する気がない人もたくさんいます。そんなコミュニティで、オンラインを活性化させようとしても難しいでしょう。であれば、やはりオフライン重視で続けていけばいいのではないでしょうか。

藤田:人と人のつながりも、オンラインで可視化されやすくなっています。そういう意味では、興味のあるコミュニティも、見つけやすくなっているように感じます。コミュニティに参加するハードルが下がっているように感じるのですがいかがでしょうか。

西村:オンラインの良さは、「違うな」と思ったら一瞬で退出できるところにあります。もちろん、中には怪しげなイベントもあるわけです。オンラインなら、違和感を感じた瞬間に、次に切り替えることができます。そういう意味でも、精神的なハードルは下がっているはずです。みなさんに、いろんなコミュニティに参加してもらいたいですね。